Cloudsの鉄道日記

カテゴリ: 鉄道

4月28日、幕張車両センター所属の209系C612編成に余剰となった元マリC611・C614編成のモハユニット4両を挟んだ10両が所属先から長野総合車両センターまで配給輸送されました。廃車のためと思われます。


早くも2回目の廃車回送に

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▲配給輸送されたマリC612編成ほか
(2021/4/28 13:06  立川ー日野)

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▲現役時代のマリC612編成
(2020/11/15 9:21  大網)

今回廃車回送されたのはマリC612編成にMM' 2121(元マリC611)とMM' 2127(元マリC614)を挟み込んだ10両です。牽引機はEF64 1030[長岡]でした。つい6日ほど前にはマリC618編成+MM' 2109(元マリC605)+MM' 2131(元マリC616)の10両が廃車回送されており、運用を離脱した185系、215系及びE217系が大量に疎開している中で、209系2100番台の廃車が優先されているのは少し意外な動きといえそうです。なお、長野総合車両センターでの解体ペースは今までにないくらい早く、マリC618編成ほか10両が長野到着後すぐに解体されていることからも、余剰車の淘汰が急がれていることが容易に想像できます。

本稿では割愛しますが、ダイヤ改正後に房総地区の209系6両編成が余剰となっている理由や詳細に関しては過去記事で取り上げているので、よろしければそちらもご参照ください。
余談ですが、廃車回送されたマリC612編成は度重なる衝突事故や脱線事故の被害に遭っており、一部のファンの間では「呪われた編成」として有名です。以下に大まかな出来事をご紹介します。

(1) 2016年8月22日
内房線千歳付近で台風9号に伴う倒木により、窓ガラスを破損。(これはまだ序の口)

(2) 2019年8月6日
総武本線日向ー八街間で10tトラックと衝突し、窓ガラス以外にも前面FRPやスカートが大破。先頭1号車(クハ208-2112)から2号車(モハ208-2124)にかけての側面にも擦り傷ができたが、約2ヶ月後には運用復帰。

(3) 2020年5月8日
外房線安房鴨川ー安房天津間の踏切付近にて、小学生の置き石が原因で1号車(クハ208-2112)が脱線。スカートや台車を中心に損傷したが、6月19日には無事に運用復帰。

このように、不運にも幾度となく大きな被害に遭っては復帰を繰り返してきたマリC612編成ですが、今回ついに廃車となってしまいました。

以上、余談でした (笑)


10両での廃車回送はあと1回

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▲総武本線を走行するマリC601編成
(2020/12/23 8:56  四街道ー物井)

京浜東北線時代を彷彿とさせる貫通10両での廃車回送は注目を集めましたが、これで余剰になっているモハユニットはMM' 2125(元マリC613)とMM' 2139(元マリC620)であるため、209系2100番台10両での廃車回送はあと1回となりそうです。恐らく、近日中にマリC626編成に前述の4両が挟まれる形で廃車回送されるかと思います。また、余剰モハユニットの配給後も6両編成が何編成か廃車回送される可能性があります。というのも、今年のダイヤ改正で房総地区での209系6両編成の運用数は13にまで削減されたのに対して、(次回実施される廃車回送を考慮しても) 幕張車両センターには6両編成17本が所属しており、やや余剰気味になっています。断定はできませんが、もしかしたら今後6両編成での廃車回送が1,2回程度行われるかもしれません。209系以外にも運用離脱中の他形式を含め、今後の動向が注目されます。



4月27日、西武2000系2003Fが廃車のため横瀬まで回送されました。2000系としては2019年3月15日付けで廃車された2021F以来、約2年1ヶ月ぶりの廃車となります。


2000系としては2番目に登場

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2021/1/30 12:02  小平ー花小金井

2003Fは1977年3月31日付けで西武所沢工場にて製造され、当初は6両固定編成で登場しました。その2年半後には中間車2両が増結され、以後8両編成で活躍することとなります。

今回2003Fが廃車回送されたのは、直接新型車両に置き換えられたというわけではなく、池袋線系統から新2000系4連3本(2501・2503・2513F)が転属してきたことで余剰となって置き換えられた形になります。


2000系は西武初の新製4扉車

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2021/2/25 16:26  武蔵砂川ー西武立川

2000系の登場当初、西武線では3扉車が主流でした。しかし、沿線人口の増加に伴い朝夕ラッシュ時を中心に顕著な混雑が発生するようになったことから、3扉車では乗降に時間がかかるようになりました。そこで、混雑緩和に向けた試験的な意味合いも込めて、当時としては異例の4扉車で登場したのが2000系です。最終的に1988年までに8連4本、6連12本、2連9本の計122両が出揃い、それ以降は新2000系の製造に切り替わりました。

西武鉄道では大きく分けて新宿線系統と池袋線系統の2つがあります。それぞれで運用はもちろんのこと、使用車両や車両基地が異なるのですが、2000系は登場時から一貫して新宿線系統で運行されてきました。ただ、池袋線系統は入線したことないというわけではなく、1990年に新2000系の導入に向けたデータ収集のため池袋ー小手指間で限定的に運行されたことがあります。しかし、それ以降は定期運用で池袋線内を走行したことはあまりないと思われます。なお、今月は2001F・2007Fが充当されましたが、いわゆる"野球臨"として西武狭山線内を走行することはあります。


8両固定編成は残り2本に

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2001F: 2021/1/30 11:52  小平ー花小金井

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2007F: 2021/1/30 11:32  同上

4扉車の先駆けとして登場し、1977年から一貫して新宿線系統で活躍してきた2000系ですが、30000系の投入に伴って2015年から廃車が始まりました。置き換え対象は6両固定編成が中心でしたが、2017年には2005Fが廃車され、どの編成も雲行きも怪しくなってきた印象です。今回2003Fが廃車になったことで残る8両固定編成は2001Fと2007Fの2本となりましたが、今回のように突然廃車回送されるケースも否定できません。なお、2001Fは西武鉄道最古参車、2007Fは数少ない幕車ということで、趣味的にはどちらもなかなか面白い編成だと思います。


最も安泰なのは2両編成?

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2401F+2003F: 2020/5/7 9:16  武蔵砂川

その一方で、しばらく安泰と思われるのが2両編成です。未だに1本も廃車されておらず、2401F〜2419Fの9本が(新)2000系4・6・8両編成に併結される形で運行されています。8・6両編成とセットで廃車が発生する可能性も考えられますが、久しく新宿線系統に2両編成の新型車両は投入されていないことから、8・6両編成の置き換えが優先されると思われます。また、2両編成は大半が1983〜1988年にかけて製造されており、車齢は比較的若いことからも真っ先に廃車されるのは考えにくいところです。


いずれにせよ、製造後40年以上経過している編成も少なくなく、老朽化が進んでいることは間違いないでしょうから、早め早めの記録が必要ですね。

現在では3扉車の生き残りとして狭山線,西武園線,多摩川線を中心に活躍している西武新101系。本線上から撤退後,支線区に残るワンマン対応の新101系はほとんどの編成が白一色でしたが,近年になってリバイバル塗装や譲渡された地方鉄道に合わせた塗装になるなど,以前よりもバリエーションが増えました。今回は,そんな西武新101系にスポットを当てます。


(1) 西武鉄道の標準色

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2019/3/27 9:14 263F  武蔵大和ー八坂

最初にご紹介するのは西武鉄道の標準的なカラーを纏う263Fです。西武といえばやはりこのレモンイエローが特徴的で,新101系のみならず(新)2000系,9000系などの鋼製車(特急形を除く)に施されている塗装です。新101系が本線上で活躍していた時代はこのカラーを纏う車両がほとんどでしたが,現在は263Fのみとなっています。なお,この263Fは言うまでもなくオール4M車で,支線区(現在は主に狭山線内)での運用のほかに自社車両を目的地まで牽引する機関車と同じような役割も果たしています。残る新101系も少しずつ数を減らす中,263Fは一番最後まで残る編成になるかもしれません。


(2) 白一色(消滅)

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2019/3/27 10:10 257F  同上

続いてご紹介するのが上記の白いバージョンです。東武81111F並みにシンプルな塗装ですが,もともと多摩湖線・多摩川線で活躍していた新101系のうち,263F以外の全車両がこの色だったかと思います。なお,リバイバル後も257Fのみが最後まで白一色で運行されていましたが,2020年2月28日付で廃車回送されたことにより消滅しました。


(3) 伊豆箱根鉄道カラー

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2021/1/30 13:28 241F  青梅街道ー一橋学園

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2020/12/29 13:10 伊豆箱根鉄道1301F
三島二日町ー大場

こちらは伊豆箱根鉄道1300系に準じたカラーを纏う新101系です。そもそも1300系は西武から譲渡された新101系であるため,下の画像からも分かるように外観上の違いはほとんどありません。なお,241Fと261Fの2編成がこのカラーでしたが,後者は2020年11月9日付けで廃車されています。


(4) 近江鉄道カラー

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2021/2/10 11:38  251F  白糸台ー競艇場前

続いて,近江鉄道100形と同じカラーを纏う新101系です。100形も新101系・301系が元となった形式で,鮮やかな水色を下地として一本の白い線が入っているのが特徴的です。251Fに施されており,2018年6月から現在まで運行されています。


(5) 赤電リバイバルカラー

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2021/1/30 13:57 259F  青梅街道ー一橋学園

続いて,現存する新101系で最も多くの編成が纏っている色が赤電リバイバルカラーです。そもそも,赤電とは1970年代前半まで西武鉄道の標準色として採用されていたものです。1979年に登場した新101系には縁のないカラーですが,多摩川線開業100周年を記念して247Fが赤電カラーになったのを皮切りに,253F,259Fと全3編成へ波及しました。圧倒的違和感…


(6) ツートンカラー

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2021/1/30 15:15 249F  白糸台ー競艇場前

最後にご紹介するのがツートンカラーです。新101系登場時の塗装を復刻したもので,イエローを基調に窓周りがベージュに塗装されているのが特徴的です。また,いわゆる前面の「ブラックフェイス」の部分もベージュとなっており,後年のレモンイエローとは違った印象を受けます。2018年3月に復刻され,245F,251Fの2編成がこのカラーを纏っています。個人的には新101系に一番似合う色だと思います。


最後に

今回は西武新101系のバリエーションについて紹介しました。新101系は今も8編成32両が活躍しており,ここでご紹介した白一色を除く5種類の塗装を見ることができます。また,使い勝手の良さから地方鉄道にも多数譲渡されており,伊豆箱根鉄道や近江鉄道以外にも秩父鉄道,流鉄,三岐鉄道等で見ることができます。
3扉構造が災いして既に多摩湖線からは撤退しましたが,多摩川線や狭山線,西武園線ではまだまだ見ることができるので,機会があれば楽しんでみるといいかもしれません。

現在、東京地下鉄(=東京メトロ)副都心線・有楽町線のほか、直通先の東急東横線・みなとみらい線・東武東上線・西武池袋線など幅広い範囲で活躍している7000系ことメトナナですが、17000系の投入に伴い着々と置き換えが進んでいます。3月28日には7104Fが運用を離脱したようで、7110F、7118Fに次ぐ3本目となります。今回は、東京メトロ7000系についてと今後の置き換え計画を簡単に考察してみようと思います。


最古参は1974年製

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西武池袋線内を走行する7102F
(2021/2/25 13:20  小手指ー西所沢間にて)

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昨日運用を離脱した7104F
(2020/5/7 12:14  小手指にて)

東京メトロ7000系は旧帝都高速度交通営団(=営団地下鉄)が有楽町線の開業に合わせて導入した系列で、1974年から1989年にかけて34編成340両が製造されました。現行の7000系は10両編成と8両編成の2種類がありますが、当初から8両編成が存在したわけではなく、10両編成の一部が2008年の副都心線開業に向けて短編成化されました。また、2006年から2010年にかけては有楽町線・副都心線向けの新型車両として10000系が投入され、一部で編成単位の廃車が行われました。この時点で更新工事の対象から外れた7000系は淘汰されることとなりましたが、依然として10両編成6本と8両編成15本の計180両は10000系とともに活躍することとなります。

10000系に置き換えられずに残った7000系は全編成が大規模なリニューアル工事を受けており、車内や足回りが一新されています。しかし、製造から45年以上経過した編成もあるのは事実で、車両の老朽化に伴って本格的に置き換えが始まることとなりました。なお、東京メトロはJR西日本と同じように古い車両を末永く大切に使う会社として知られていますが、7000系は修繕を重ねてかなり重宝された方だと思います。


いよいよ本格的な置き換えへ

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試運転中の17102F
(2021/2/1 13:08  小手指ー西所沢間にて)

7000系を置き換えるのは最新型の17000系で、現行と同数の車両が2020〜2022年度にかけて投入される予定です。なお、現在は10両編成を優先的に置き換えており、3月12日には5本目となる17105Fが日立製作所笠戸事業所を出場しています。また、有楽町線・副都心線をはじめとした乗り入れ先の各路線で入念に試運転が行われてきた17000系ですが、2月21日には17101Fが先行デビューという形で運用入りを果たしており、続く17102F、17103Fも営業運転を開始しています。これに伴って同じ10両編成の7110F, 7118F, 7104Fが相次いで運用を離脱しており、7110Fと7118Fに関しては解体作業が始まっています。17106Fも4月中には出場する予定で、7000系10両編成が消滅するのは時間の問題でしょう。ちなみに、前回検査が去年7月でWi-Fi非搭載の7104Fが運用離脱したことからも分かる通り、検査期限やWi-Fi搭載に関わらずランダムで落ちているような感じなので、いつどの編成が廃車になるのか予測するのは難しいと思われます。

一方で、もう少しだけ活躍が期待できそうなのが8両編成の7000系です。先日発表された東京メトロの2021年度事業計画では、2021年度中に17000系8両編成を12本投入する旨の記述があり、2021年度内にそれと同数の7000系が置き換えられると思われます。しかし、裏を返せば残る3本は2022年度まで繰り越されるということですから、あと1年程度は活躍が期待できそうです。いずれにせよ6000系ラストランの時のような混乱を避けるためにも早め早めの記録は重要でしょう。

ここ最近になって青梅線でよく見かける485系リゾートやまどりですが、6週連続(2月下旬の土休日と3月の土日全て)で三鷹ー奥多摩間にて運行されています。なお、全て同じ列車というわけではなく、〜3/21が「青梅奥多摩梅の里号」、3/27,28が「やまどり青梅奥多摩号」です。後者は5/8,9にも設定されている他、GWにあたる5/3-5と5/15,16には485系「華」を使用した「お座敷青梅奥多摩号」の運行も予定されています。こんなにも多く奥多摩方面への臨時列車が設定されたことは過去にないので、八王子支社が本気で奥多摩観光に力を入れていることが分かります。


ということで、自宅から自転車で片道20kmほど移動してやって来たのは有名な山根踏切です。青梅ー宮ノ平間の撮影地で、上り(午前順光)・下り(午後順光)ともに撮れる場所です。今回は私含めて2人しかいませんでしたが、何かしらのネタが来る時は混雑するようです。

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2021/3/27 16:12  485系YD01編成
想像以上に枯れ草が酷かったです…orz
しかし、送り込み回送にも関わらず「リゾートやまどり」表示だったのはラッキーでした。

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2021/3/27 16:21  E233系トタ青460編成
上り線を撮る場合はこんな感じの構図です。下り線のストレートとは違って緩いインカーブになっています。

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2021/3/27 16:30  E233系トタ青460編成
続く折り返し電車を撮影し撤収……


コロナ禍で相次いで臨時列車が運転取りやめになった去年とは対照的に、冷え込んだ観光需要を回復させるために臨時列車が多く設定された今年ですが、客足が元通りになるまでにはまだまだ時間がかかりそうですね。

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