Cloudsの鉄道日記

カテゴリ: JR東日本

7月6日から7日にかけて、幕張車両センター所属の209系2100番台C609編成が所属先から伊東まで甲種輸送されています。以前から噂されてきた伊豆急行への譲渡が現実となるようです。


ダイヤ改正で209系6両編成が余剰に
過去記事に書いた通りですが、今年3月のダイヤ改正で房総地区では過疎線区を中心にE131系が導入されるとともに、房総地区全体の運用見直しが行われました。これに伴い、朝夕ラッシュ時に運行されてきた209系10両編成の運用は消滅(4+4両編成に置き換え)するとともに、6両編成の運用自体も削減されました。もともとマリC601〜C626までの26本存在していた6両編成の多くは余剰となり、このうち6本が4両編成へ短編成化、3本が6両固定のまま長野へ廃車回送されています。それでも4本が余剰となっており、6両編成単独での廃車回送もいまだに実施されていないことから、今後の動向が注目されていました。


伊豆急にとって209系は理想的?

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ケヨ34編成と並ぶマリC609編成
2019/2/5 14:06  蘇我

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熱海駅に停車中の8000系TA-7編成
2020/3/11 14:54  熱海

伊豆急行では、普通列車として8000系3両編成15本(TA-1〜TA-8, TB-1〜TB-7)と2100系7両編成1本(R-3)、同8両編成1本(R-4)を運行しています。このうち、8000系は東急電鉄から譲受した元8000系で、TA編成とTB編成の2種類があります。この2つは車両構成が逆向き(TA編成: 熱海側からクハーモハークモハ, TB編成: 熱海側からクモハーモハークハ)ですが、運行自体は基本的にTA+TB編成(3+3両)の6両編成で行われています。8000系はオールステンレスのコルゲート車体なので塩害腐食に比較的強いですが、もともと東急線内のラッシュ運用で酷使されてきた背景もあり、特に足回りの老朽化は否めない状態でしょう。

伊豆急からすれば、その置き換え用として8000系と同じく4扉車でオールステンレス車体の6両編成が望ましいでしょう。候補としては東急8500系やE217系、209系2100番台などさまざまな考察がなされてきましたが、結果は209系2100番台となりました。やはり東急8500系に関しては8000系と比べると車齢が若いものの、基本的な車両性能や床下機器は8000系とあまり変わらないため、導入してもあまり意味がないと思われます。

一方で、E217系は1日の走行距離が比較的長く(高速走行が多く)、沿岸部を多く走行することから塩害腐食が著しいことが背景にあると思われます。それを考えれば同世代で房総沿岸域を多く走行してきた209系2100番台も大差ない気がしますが、車両コンディションは209系の方がまだ良かったのかもしれません。伊豆地区での運行実績はありませんが、E217系とは異なり6両編成での運行実績があることも1つの要因になった可能性があります。また、これは209系とE217系に共通して言えることですが、JR車両であれば特急踊り子等で伊豆急下田まで頻繁に運行されてきたため、さまざまな点で都合が良さそうです。しかし、8000系とは違って6両固定編成となると現行の運用見直しが必要となるため、改造期間や試運転なども含めてデビューまでは時間がかかると思われます。


209系の導入は限定的か

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10両編成で走行するマリC421+C609編成
2020/11/15 8:57  大網

前述したように、伊豆急行へ譲渡したことで房総地区の209系2100番台6両編成の予備車は残り3本となり、もしまだ譲渡が行われると仮定してもあと1本に留まりそうです。また、房総地区209系の本格的な置き換えは2024年度以降に予定されていることから、伊豆急8000系の置き換えは特に老朽化が著しい編成のみに限定し、本格的な置き換えはさらに先となるでしょう。短命に終わった先代の200系(=元JR東日本113・115系初期車)のように場つなぎ的なものになるのか、それとも引き続き209系を譲受するのか、今後の動向が気になりますね。

4月28日、幕張車両センター所属の209系C612編成に余剰となった元マリC611・C614編成のモハユニット4両を挟んだ10両が所属先から長野総合車両センターまで配給輸送されました。廃車のためと思われます。


早くも2回目の廃車回送に

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▲配給輸送されたマリC612編成ほか
(2021/4/28 13:06  立川ー日野)

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▲現役時代のマリC612編成
(2020/11/15 9:21  大網)

今回廃車回送されたのはマリC612編成にMM' 2121(元マリC611)とMM' 2127(元マリC614)を挟み込んだ10両です。牽引機はEF64 1030[長岡]でした。つい6日ほど前にはマリC618編成+MM' 2109(元マリC605)+MM' 2131(元マリC616)の10両が廃車回送されており、運用を離脱した185系、215系及びE217系が大量に疎開している中で、209系2100番台の廃車が優先されているのは少し意外な動きといえそうです。なお、長野総合車両センターでの解体ペースは今までにないくらい早く、マリC618編成ほか10両が長野到着後すぐに解体されていることからも、余剰車の淘汰が急がれていることが容易に想像できます。

本稿では割愛しますが、ダイヤ改正後に房総地区の209系6両編成が余剰となっている理由や詳細に関しては過去記事で取り上げているので、よろしければそちらもご参照ください。
余談ですが、廃車回送されたマリC612編成は度重なる衝突事故や脱線事故の被害に遭っており、一部のファンの間では「呪われた編成」として有名です。以下に大まかな出来事をご紹介します。

(1) 2016年8月22日
内房線千歳付近で台風9号に伴う倒木により、窓ガラスを破損。(これはまだ序の口)

(2) 2019年8月6日
総武本線日向ー八街間で10tトラックと衝突し、窓ガラス以外にも前面FRPやスカートが大破。先頭1号車(クハ208-2112)から2号車(モハ208-2124)にかけての側面にも擦り傷ができたが、約2ヶ月後には運用復帰。

(3) 2020年5月8日
外房線安房鴨川ー安房天津間の踏切付近にて、小学生の置き石が原因で1号車(クハ208-2112)が脱線。スカートや台車を中心に損傷したが、6月19日には無事に運用復帰。

このように、不運にも幾度となく大きな被害に遭っては復帰を繰り返してきたマリC612編成ですが、今回ついに廃車となってしまいました。

以上、余談でした (笑)


10両での廃車回送はあと1回

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▲総武本線を走行するマリC601編成
(2020/12/23 8:56  四街道ー物井)

京浜東北線時代を彷彿とさせる貫通10両での廃車回送は注目を集めましたが、これで余剰になっているモハユニットはMM' 2125(元マリC613)とMM' 2139(元マリC620)であるため、209系2100番台10両での廃車回送はあと1回となりそうです。恐らく、近日中にマリC626編成に前述の4両が挟まれる形で廃車回送されるかと思います。また、余剰モハユニットの配給後も6両編成が何編成か廃車回送される可能性があります。というのも、今年のダイヤ改正で房総地区での209系6両編成の運用数は13にまで削減されたのに対して、(次回実施される廃車回送を考慮しても) 幕張車両センターには6両編成17本が所属しており、やや余剰気味になっています。断定はできませんが、もしかしたら今後6両編成での廃車回送が1,2回程度行われるかもしれません。209系以外にも運用離脱中の他形式を含め、今後の動向が注目されます。



ここ最近になって青梅線でよく見かける485系リゾートやまどりですが、6週連続(2月下旬の土休日と3月の土日全て)で三鷹ー奥多摩間にて運行されています。なお、全て同じ列車というわけではなく、〜3/21が「青梅奥多摩梅の里号」、3/27,28が「やまどり青梅奥多摩号」です。後者は5/8,9にも設定されている他、GWにあたる5/3-5と5/15,16には485系「華」を使用した「お座敷青梅奥多摩号」の運行も予定されています。こんなにも多く奥多摩方面への臨時列車が設定されたことは過去にないので、八王子支社が本気で奥多摩観光に力を入れていることが分かります。


ということで、自宅から自転車で片道20kmほど移動してやって来たのは有名な山根踏切です。青梅ー宮ノ平間の撮影地で、上り(午前順光)・下り(午後順光)ともに撮れる場所です。今回は私含めて2人しかいませんでしたが、何かしらのネタが来る時は混雑するようです。

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2021/3/27 16:12  485系YD01編成
想像以上に枯れ草が酷かったです…orz
しかし、送り込み回送にも関わらず「リゾートやまどり」表示だったのはラッキーでした。

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2021/3/27 16:21  E233系トタ青460編成
上り線を撮る場合はこんな感じの構図です。下り線のストレートとは違って緩いインカーブになっています。

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2021/3/27 16:30  E233系トタ青460編成
続く折り返し電車を撮影し撤収……


コロナ禍で相次いで臨時列車が運転取りやめになった去年とは対照的に、冷え込んだ観光需要を回復させるために臨時列車が多く設定された今年ですが、客足が元通りになるまでにはまだまだ時間がかかりそうですね。

房総地区各線の主力車両として活躍する209系2100番台。しかし、今年のダイヤ改正では鹿島線や房総地区の末端区間でE131系がデビューし、209系の一部運用を置き換えました。それと同時に輸送力が過剰気味だった列車の短編成化も進んでいます。今回は、房総地区の209系の動きについて詳しく見た上で、2024年度以降に予定されている209系の本格的な置き換え計画について考察してみます。


209系の10両運用は消滅

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▲外房線を走行する209系10両編成
(2020/11/5 8:57  大網駅にて)

これまで、朝夕のラッシュ時間帯に内房線と外房線では209系による一部列車が4両と6両を連結した10両編成で運行されてきました。209系の10両編成は500番台のケヨ34編成や1000番台のトタ81・82編成で見られますが、いわゆる"0番台顔"の10両が見られるのは房総地区のみであり、昔の京浜東北線を彷彿とさせました。しかし、今年のダイヤ改正ではE131系のデビューにより、内房線・外房線の末端区間(木更津〜安房鴨川〜上総一ノ宮)、成田線一部区間(成田〜香取)、鹿島線(佐原〜鹿島神宮)の運用が置き換えられるとともに、それ以外の区間でも運用の整理が行われました。ラッシュ時間帯の列車についても見直しされ、輸送力を持て余していた10両編成は4+4両の8両編成に変更されることとなりました。


ダイヤ改正で6両編成が余剰に

10両運用が撤廃されたことで、6両編成は余剰となりました。また、ラッシュ時間帯に分割8両編成の列車が増発されるということは、それだけ編成を組む4両編成が必要となります。そこで、C601〜C626編成までの26本のうち、6本が4両編成化されることとなります。もちろん6両編成単独での運用もありますから、残りの20本が4両化される可能性は低いでしょう。

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▲総武本線を単独で走行するマリC601編成
(2020/12/23 8:56  四街道ー物井間)

では、新しく設定された4両編成について見ていきましょう。編成番号は既存のC442編成の続番となる形で、いずれも奇数番号のモハユニット(MM')が引き抜かれています。

C605編成ーMM' 2109→C443編成
C611編成ーMM' 2121→C444編成
C613編成ーMM' 2125→C445編成
C614編成ーMM' 2127→C446編成
C616編成ーMM' 2131→C447編成
C620編成ーMM' 2139→C448編成

この4両化の動きはダイヤ改正前の2月下旬から見られましたが、一昨日C446編成が確認されたことで一連の動きが終了したものと思われます。なお、3/18にはC618編成にMM' 2109とMM' 2131を組み込んだ10両編成が目撃されており、C618編成含め今後廃車になるのかどうかが注目されます。


固定編成の廃車は発生し得るのか

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▲中央本線で性能確認試運転を実施した後、所属区へ回送されるR01編成。
(2020/9/18 13:05  日野ー立川間にて)

E131系のデビューに伴って既存の4両・6両固定編成68本のうち何本か廃車になると思われましたが、現時点で固定編成に廃車は発生しておらず、前述の通り6両編成6本のモハユニット12両が引き抜かれたのみとなっています。また、新たに4両編成を6本追加していることを考えると、当面の間は4両編成が廃車になることはないでしょう。一方で、先行きが心配されるのが6両編成です。他者様の運用解析によれば、ダイヤ改正後は以下の運用パターンになっています。

① 内房線・外房線・・・8両×16運用
② 総武本線・成田線・東金線(内房線・外房線の一部)・・・6両×13運用
③ 総武本線・成田線(内房線木更津~安房鴨川の一部)・・・4両×14運用
出典: 4号車の5号車寄り
https://4gousya.net/

このことから、運用に入るのは単純計算で4両編成2×16+14=46本、6両編成13本となります。また、4両編成は48本あるので予備車は2本、6両編成は20本あるので予備車は7本となります。前者は予備車の数が妥当ですが、後者は随分と多いです。そのため、6両編成4〜5本程度は廃車になる可能性があります。ただし、現時点で209系の疎開が全くない=幕張車両センターがキャパオーバーしていないということなので断定はできません。しかし、定期検査の必要性を考えれば使用しない209系を余分に配置しておくのは非効率的なように感じます。


本格的な置き換えは2024年度以降

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▲京浜東北・根岸線用E233系1000番台
(2020/7/4 18:05  高輪ゲートウェイ駅にて)

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▲横浜線用E233系6000番台
(2020/10/20 14:37  相原駅にて)

既報によれば、具体的な時期は未定なもののE235系1000番台投入完了後の2024年度以降にワンマン対応のE235系が京浜東北・根岸線及び横浜線に導入されます。これに伴って捻出されるE233系1000番台は10両編成82本(6M4T)、E233系6000番台は8両編成28本(4M4T)です。これに対して、置き換え対象の209系2100番台は4両編成48本(2M2T)、6両編成20本(4M2T)[変更の可能性あり]ですから、E233系1000番台のみで十分置き換えることができます。改造に時間を要するため一概には言えませんが、前例からすれば209系の置き換え時期は2024〜2027年頃となり、2028年度末までには完了していると思われます。


まとめ

今回のダイヤ改正で運用の抜本的な見直しが行われた房総地区。それに対応する形で短編成化が行われた209系ですが、沿岸部の厳しい環境に耐えながらもまだまだ活躍してくれそうですね。




当ブログをご覧いただきありがとうございます。今回はかなり長文になってしまいましたが、悪しからず…


先日のダイヤ改正では185系と215系が定期運用から離脱し、東海道本線の特急列車はE257系と既にデビューしていたE261系に置き換わりました。しかし、既報では185系は4月下旬から5月初旬にかけて臨時快速「あしかが大藤まつり号」として大船・上野〜桐生間を、6月には臨時快速「鎌倉あじさい号」として青梅〜鎌倉間を走行する予定となっています。

なお、あしかが大藤まつり号は上野発と大船発の2本があり、どちらも185系による運行であることから、波動用のB5・B6両編成が充当されるかと思います。

ちなみに、2019年にはあしかが大藤まつり号でB6編成による運行実績があります。(2020年も185系による運行が計画されていましたが、昨今の社会情勢により運転取りやめとなっています。) 

一方で、鎌倉あじさい号は2018年、2019年と2年連続でE257系500番台の波動用編成、それ以前は豊田車両センター所属の189系が充当されていましたが、185系自体は秋に臨時運行される「鎌倉紅葉号」と「ホリデー快速あたみ」で青梅線での運行実績があります。なお、いずれもB5編成及びOM03編成が充当されており、B6編成が青梅線に入線したことはないかと思われます。(写真はB5編成による鎌倉紅葉号。)

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2020/11/23 9:09 東中神ー西立川間にて


では、185系が臨時列車からも退くのはいつなのでしょうか。あくまでも個人的な見解に過ぎませんが、少なくとも2022年度まで持ち越される可能性は低いでしょう。というのも、現状これらの運用は波動用のE257系500番台3編成で代替することが可能だからです。

今春の増発列車に関するプレスリリースを見てみると、E257系500番台で運行される列車(5月〜6月)は、特急「あやめ祭り」(5/29,30,6/5,6,12,13,19,20)、「ホリデー快速鎌倉」(5/1-5,6/12,13,19,20,26,27)の2本です。コロナで臨時列車を減便していることも影響していると思いますが、これであれば「あしかが大藤まつり号」(5/1-5)、「鎌倉あじさい号」(6/5,6,12,13,19,20)もE257系で運行することができます。つまり、現状なら185系を使う必要がないということです。夏に関しても同様で、今までの傾向を見る限り夏の臨時列車で185系が設定される例は少なかった気がします。

一方で、予測しづらいのが秋〜冬の臨時列車です。秋は前述の通り青梅線を走る臨時列車等があり、以前から185系で運行されてきました。(今年度はいずれもB5編成による運行でした。) また、冬は今年度の場合、①「足利イルミネーション号」(所定253系)(12/12,13,19,20,26,27)、②「成田山初詣伊東号」(1/6,9)、③「成田山初詣横須賀号」(1/10)、④「早春成田初詣号」(1/9-11)の設定があり、①〜③がB5編成、④がB6編成による運行でした。
秋の青梅線を走る臨時列車はE257系で代替できそうですが、冬(特に年始)は各方面から成田山への臨時列車の設定が多く、果たしてE257系500番台だけで既存の運用を回せるのか…という疑問が残ります。ただし、他の車両(E257系0番台、253系、E653系勝田車、485系リゾートやまどり等)を活用すれば問題ないと思うので、今年と同じように185系による運行があるのかは微妙なところです。ただ、185系の検査期限を考えればしばらくの間は運行できるかと思いますので、断定はできません。


185系の具体的な引退時期についてはまだ公式発表がないので、しばらくは注視しておく必要がありそうです。筆者ととしてはまだまだ185系に活躍してもらいたいので、例年通り臨時列車としてファンを楽しませてくれることを願っています。

長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

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